テマヒマかかる。だから価値が高くなる。
久しぶりに
自家製の醤油を出したました。
(右は、醤油を絞った時に残る"醤油麹"で、これをお肉やお魚に塗って一晩置くと美味しく焼くことができるんです!)
家族が大病になってから
いろいろなことの見え方が変わったのですが
その中のひとつに
「食」があります。
食事の作り方、食べ方
食材について、その育て方について・・・
勉強し始めたら奥が深過ぎて
まだまだ勉強を続けていかなければならないです・・・
その中でも
日本食の基本といえる
「味噌」や「醤油」を
手作りするレッスンに行ったりもしました。
私が醤油を作ったときの写真がこちら。
教えてくださるところは
みなさん
素材選びからとてもこだわりがあって
塩、大豆、水などを
日本各地からわざわざ取り寄せているほど。
味噌も醤油も
早いものでも出来上がるまでに1年かかります。
醤油なんて、その1年の間
定期的に混ぜて空気に触れさせたりします。
そうやって手間ひまかけて出来上がった
味噌や醤油で作る料理は
もう、この上なく美味しい!!
素材も素晴らしいし
無添加ですし
何と言っても自分で作ったという感動もあります。
こうやって手間ひまかかるものを
今では「大量生産」することで
安く、手軽に手に入れることができますよね。
でも、手間ひまかけて、原材料にこだわって作ったものは
それなりのお値段がします。
これって、
音楽家のみなさんにとっては
自分の演奏の値段を決めることと
同じなんですよね。
これまで演奏スキルを磨くために
費やしてきたテマヒマ。
数ヶ月ではありませんよね。
少なくとも10年近くは研鑽を積まれていることでしょう。
それに伴う学費、レッスン費、諸々・・・
そう考えただけでも
自分の演奏の値段を安く提供しようなんて
思わないですよね。
そして、
自分の演奏技術にはそれだけテマヒマがかかっていて
今があるということが
相手に伝わっているでしょうか。
よく
“無料で頼まれてしまいます”
という方がいらっしゃいますが
演奏のような「無形」の芸術の場合
考えなしに”タダで演奏して”と言う方は確かにいます。
私も以前
“介護施設で無料で演奏をしてくれる人を紹介してほしい”
と頼まれたことがありました。
私がその時にお返事をした言葉は
「なぜ無料なのですか?」
でした。
そして
「私のまわりに意味もなく無料で演奏できる音楽家はいませんよ。これまで何年かけて練習していると思いますか。楽器代やレッスン代にいくらかけてきているかご存知ですか」
とお答えしました。
ここまで言われれば
それ以上、無料で演奏をお願いしたいという人はいませんよね。
その方にもおわかりいただけたようで
演奏された方に謝礼をしっかりお支払いいただく約束をして
音楽家をご紹介させていただきました。
ここで皆さんに知っていていただきたいことは
「言葉にしないと
相手に伝わらないことがたくさんある」
ということです。
「なんでタダで演奏を頼まれなきゃいけないんだろう!失礼だわ!」
と思う前に
相手がなぜ無料で演奏依頼をしてきたのかを
考えなる余裕をもつことです。
そして
「なぜ自分の演奏が無料で頼まれることになってしまうのか」
ということも考え直す必要があります。
なんでもかんでも
無料で引き受けてしまっていたら
「あの時は無料で引き受けてもらったから、今度も大丈夫だろう」
と思われますし
もしかすると
「この人だったら無料で頼んでも大丈夫だろう」と
安易に考えられてしまう原因が
自分自身にあるのかもしれません。
人は価値のあるものには、お金を払おうとします。
あなたの自分の演奏の価値が相手に充分に伝わっていないと
こうなってしまいますよね。
手作り醤油と同じ。
みなさんの演奏は
大量生産できたり
手短かに習得できる技術ではありません。
このことをまず自分が自覚することと
それを相手に伝えることが
みなさんの演奏活動をより豊かにするコツになります。
ぜひ試してみてください。
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